日記

つづき

作戦は功を奏し、すんなりと本題に入ることが出来ました。
しかし青年は我々の申し出を拒絶します。
・・・そりゃそうだろう。
私ならこの時点ですぐに引き下がってしまうのですが、そう簡単に引き下がる店主ではありません。
「いくらやったら売る?」
出ました。「金にモノ言わす攻撃」です。
金額はつり上がりますが、青年はほんとにいやそうです。
「だってこれオレも欲しくて、友達に頼んでやっと譲ってもらったところやねん。イヤだよ。」
しかしそんなことであきらめる店主ではありません。なおも食い下がります。金額も上がります。
ついに最後通告のように青年が結構な金額を申し出ました。
「じゃあ、OOドルでどう?・・・頼む、買うって言うなよ!!」
「買う。」
「・・・・。」
こうして交渉は成立してしまいました。
青年はその場で潔く靴を脱ぎだしましたが、裸足で帰らせるのはあんまりなので、その時我々がすでに仕入れて車に積んでいた靴を代わりに一足あげると申し出たのですが、「いいよ、車だし。」と言ってそのまま裸足(靴下は着用)で車に乗り込み帰っていったのでした。
こうして意気揚揚と日本に帰国したわけですが、まず待っていたのは本物かどうかという真贋論争です。
いろいろ検証した結果、まず本物だろうということで落ち着きました。理由としてはディテール以外にも、その当時アメリカのそんな地方都市にまで偽物が出回っているとは考えにくいということ(当時はまだインターネットなどあまり普及していませんでした)、それと決定的だったのは、そんなでかいサイズの偽物はわざわざつくらんだろう!ということでした。
そうです、そのデカイ黒人が履いていたスニーカーはサイズも巨大だったのです。日本のサイズでは30cmくらいだったでしょうか。そんなサイズを履く日本人がそうそういるはずもなく、結局売れずに未だに残っているというわけです。
トホホ・・・。
(ちなみに今、店頭に並べているのはその後また別に仕入れたもので、26か27だったか、まぁノーマルなサイズのものです)
                      (完)

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