日記

グッバイ、カマロ。 #2

始まりはアメリカからの一本の電話だった(あ、ここ頭の中で「ラブストーリーは突然に」をBGMとして流してください、・・いや、意味ないけど)。
10数年前のある日のこと、アメリカの友人から電話があった。よぉく憶えてる。そのとき店には私しかおらず電話をとったのは私だったからだ。電話の彼が言うには「友人が32フォードを800ドルで売る」とのこと。
店に戻ってきた店主に文字通り伝えたところ、一瞬で彼の目の色が変わった。
「今すぐ行く。アメリカに。」
都合よくというかなんというか、そろそろアメリカに仕入れに行かねばならないタイミングでもあったのだった。そこですぐに航空券を手配、彼の地へと飛んだのであった。
はやる気持ちを抑えつつ現物を見に行ったところ、これがまたやっぱりというのか、やられたというのか、私には今ひとつ分からんかったのだが、とんでもない代物であったわけで。
まず、50年代頃のピックアップトラックに載せたテキトーなボディ(車種不明、しかも荷箱は自作ベッド)、塗装はもろ80sな感じのフレアー。そしてタイヤは何故か5スポーク、マッスルカーしかないだろというぶっといホイール(これだけは店主も欲しかったらしい)、しかもエンジンなし! エンジンないって。エンジンフードもない。結局32フォードだったのはグリルだけ、しかしグリルのメッシュは得体のしれないもの(・・籐?)で張り替えられておるという徹底したわけの分からなさだ。
所有者であるおっさんは自信満々で、「これは娘にプレゼントしようと思ってたんだが、いらないって言うんだ。」
そりゃそうだろう!
恥ずかしいわ!
それでも800ドルという価格に大きく未練を残す店主は、これをアメリカに置いたまま何とかまともな姿までもっていくという苦しまぎれのカスタム計画を練りだした。
参考意見を聞くため写真を撮ってその後すぐ、現地に住むアメリカ人の友人に見せると「これはひどい、これやったらもっといいやつあるから!なんなら探したるからやめとけ!」 ピシャリと一刀両断。やはり大不評。がっかり帰国した店主であった(ちなみに帰りの空港では欲求不満のヤケクソみたいにアメ車雑誌をしこたま買い込んでましたね)。
このうえなく不完全燃焼であった彼に帰国直後にたまたま(ほんとにたまたま?)かかってきた電話が、同じくアメリカ人ではあるが日本在住の車好き男性の「カマロ買えへんか?事故車やけど。」
すっかり「車買うモード」全開になっていた店主、見もせず二つ返事で購入決定。
そしてそのカマロというのももちろん「訳あり物件」だったわけさ。

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