日記

「アメリカたまご騒動」

少し前に、ウサギの兄さん(←人間です。)から「ダブってたからあげる」ということでもらったショージくんの文庫本、読み始めてしばらくして、あっ、これ私も持ってたやつだった!と気づいた。まぁでも読み返すのは久しぶりだったのでそのまま読み続けていると、最初に読んだときとまったく同じところで、まったく同じことを思い出した。
それは本のタイトルにもなっている「たまご騒動」のくだりなんだが、これとほとんど同じ体験を私どももアメリカでしているのだ。
最近でこそあまり言わなくなったものの、以前の店主はアメリカへ行くたび2、3日もすると「日本食食べたい」とうるさかったもので、何ヶ月もおるわけじゃあるまいし、たかだか10日やそこら我慢せんかい!高いだけでうまくもないんやから。という私とよく言い合いになったものでした。
そのときも車を運転中、「たまごメシ(玉子かけご飯)食べたい。」と言い出した。
「そんなんあるわけないじゃん。」と私。
「でも中華料理屋だったら、言うたら出してくれるかもしれんやん!」
(・・・ってどうせ私が言うんやろ・・・)
都合よく中華料理屋があり、そこに入ることになった。昼飯時をずいぶん過ぎていたためか店はがらがら。客は私どものみ。
さっそく注文をとりに来た店員に「RAW EGGとRICE」とさらっとオーダーしてみたがもちろん通じない。
UNCOOKED EGGとかEGG WITHOUT COOKINGとかいろいろ言ってみたのだが全然通じない。
店員がわらわらと寄ってきて(なにしろ他に客もいないので)、取り囲んでいろいろ聞いてくれるのだがなかなか通じない。
そのうち厨房からも人が出てきて、ちょっとした騒ぎになってきた。これか?とゆで卵を出してきたりする。
「だからぁ、NO BOIL、NO FRY、NO COOKING、Just in RAW!」とか言っているうちに、厨房から店員が不思議そうな顔で首をかしげつつ、ついに来ました、生卵。
「これこれ!This is it!!」ってなもんで、店主待望のたまごメシ。
さっそくご飯に卵をかけてしょうゆをたらし、卵かけご飯を製作している店主を遠巻きに見つめる店員達。
異国の地で苦労してつくったたまごメシ、インディカ米みたいなパラパラのご飯にニセモノしょうゆ(アメリカではけっこうよくあります。キッコーマンだったら大丈夫なのですがこれ、SOY SAUCEとありますが原材料をよく見てみると大豆は使われておらずカラメル色素で色と風味をつけた茶色の塩水とでもいうべきとんでもない代物なのだ)、そのお味はというと、それはそれはもう、ビックリするほど不味かったのでした。

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